花粉症・アレルギー性鼻炎-くらます耳鼻咽喉科クリニック

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花粉症・アレルギー性鼻炎

アレルギー性鼻炎・花粉症について

くしゃみ、鼻水、鼻づまりの3大症状を起こすものとして、

・アレルギー性鼻炎

・血管運動性鼻炎

があります。

アレルギー性鼻炎は、原因(抗原)がはっきりするものをいい、特に季節性の花粉症(スギ、ヒノキ、イネ科など)が有名です。
血管運動性鼻炎は、原因(抗原)が決定しにくいものをいいます。
両者を総合して鼻過敏症と称することもあります。

 

花粉症は季節の植物の花粉が原因となり鼻症状(くしゃみ、鼻水、鼻づまり)や眼のかゆみを引き起こします。悪化すると頭重感やイライラする感じを伴い日常生活に影響を及ぼすこともあります。
アレルギー性鼻炎を起こすものは花粉だけでなく、ダニ、ハウスダスト(家のほこり)、カビ、動物(犬、猫の毛やフケ)なども原因となり年中(通年性)症状が出ることがあります。
日本人の約40%がアレルギー性鼻炎です。また、日本人の約30%が季節性アレルギー性鼻炎で、約25%が通年性アレルギー性鼻炎です。近年、アレルギー性鼻炎の低年齢化が進んでいます。
自然に治癒することは稀で、数%と言われています。いったん発症すると、ずっとアレルギー性鼻炎の症状に悩まされることになります。

代表的な花粉とその季節

 

血管運動性鼻炎は、気温差や湿度差によりくしゃみ、鼻水、鼻づまりが引き起こされるタイプが代表的なものです。

アレルギー性鼻炎の対策

<花粉症の場合(季節性)>

・花粉にさらされないようにする

・花粉の多い日になるべく外出を控える(晴れた日や、雨上がり後の晴れた日)

・外出時はマスクやめがねをする。

 帰宅後、家の中に入る前に服や髪に付いた花粉を払い落とす。洗顔、うがいをする。

・洗濯物や布団は部屋に干す。

・ストレスや過労を避け、しっかり睡眠をとる。運動など気分転換をしてストレスを解消する。

・予防薬の内服。

原因となる花粉の飛散の約1~2週間前から内服を始めると、症状が出ても軽く抑えられることがあります。

 

■環境省花粉観測システム(はなこさん)

 花粉飛散状況の閲覧ができます。 http://kafun.taiki.go.jp/

■大阪府の花粉症総合ページ http://www.pref.osaka.lg.jp/kenkozukuri/kafun/

 

<ダニ、ハウスダスト、カビなどの場合(通年性)>

家の中をできるだけ掃除する。特に、居間、寝室の絨毯やソファー、ベッドなどを重点的にしましょう。

エアコンの掃除も大切です。

 

バランスのよい食事を摂取し、しっかり睡眠をとり、抵抗力のある体づくりに励みましょう。

ストレス、過労を咲けることも大切です。

 

風邪をひかないようにふだんから気を付けるように。アレルギー性鼻炎の人が風邪をひくと急性副鼻腔炎になる場合があるため、風邪症状があればすぐに耳鼻咽喉科を受診するようにしましょう。

検査

●鼻咽腔内視鏡(ファイバー)検査

鼻腔粘膜の状態を詳細に観察します。鼻炎以外の病変(鼻ポリープ(鼻茸)や腫瘍性病変など)がないかチェックします。

 

●血液検査(原因抗原を調べる)

「自分が何に対して、どの位の強さのアレルギーを持っているのか」を把握するための検査です。

何に対するアレルギーを持っているのかを知れば、治療を対策を立てやすくなります。

検査の項目数(抗原の種類数)で費用が異なります。

受診された際にご相談ください。3割負担の方で約2,000円から5,000円です。

 

こどもについては、通常の注射針ではなく極細の針を一瞬指先に刺して血液を約1cc採取し、約15分で結果がわかる簡易検査キットを用いています(イムノキャップラピッド)。

 

●鼻汁好酸球検査

鼻水の中に好酸球というアレルギーで増える白血球の一種が多いかどうかを調べます。鼻水を採取し顕微鏡で調べます。

 

●レントゲン検査

鼻腔だけでなく、副鼻腔もしらべることにより、副鼻腔炎の合併がないかを調べます。

治療

<薬物療法(内服薬、点鼻薬、点眼薬など)>

症状の強さに応じた抗アレルギー薬(飲み薬や鼻スプレー)を選択します。
効果と副作用(特に眠気)とを考慮しながら、薬の調整を行います。
花粉症の場合は、飛散時期の1~2週間前から(つまり症状が出始める1~2週間前から)内服すると花粉が飛散しても症状を軽く抑えることができます。
妊娠中や授乳中の方は治療に注意すべき点がありますので、ご相談ください。

 

※点鼻薬(鼻スプレー薬)について

ⅰ)ステロイド点鼻薬

鼻の粘膜のむくみ(浮腫)を抑え、くしゃみ、鼻水、鼻づまりに効果があります。
内服薬と併用するとより効果が高まります。
鼻の中に噴霧するので、副作用はほとんどありません。

ⅱ)血管収縮点鼻薬

鼻の粘膜の血管を収縮させて鼻づまりをなくす薬です。
短期間の使用は問題ありません。(下記「薬剤性鼻炎」を参照)

 

※「薬剤性鼻炎」について

長期間、血管収縮点鼻薬タイプの点鼻薬を頻繁に連用すると有効期間が次第に短縮してきます。鼻粘膜は強い浮腫を起こし、かえって強い鼻づまりを感じるようになり、さらに連用を繰り返す、という悪循環に陥ってしまいます。この場合、血管収縮点鼻薬タイプの点鼻薬を中止し、ステロイド点鼻薬や他の治療に置き換えていくことが望ましいです。特に、市販されている点鼻薬は血管収縮点鼻薬タイプのものが多いため注意が必要です。

 

<レーザー治療(下鼻甲介粘膜焼灼術)>

鼻の粘膜を焼灼(薄くこがす)し、鼻症状(くしゃみ、鼻水、、鼻づまり)を起こしにくくする治療です。レーザー手術は両鼻で約20分間の外来で行う治療です。
レーザー治療は根治治療ではなく、治療効果は約1~2年です。
効果が薄れてきたら、再度レーザー治療を受けられることをお勧めします。
費用は、3割負担で両鼻で約9,000円程度です。

 

次のような方が適応になります。

・アレルギー性鼻炎の内服薬が効きにくい方

・鼻づまりが強い方

・内服薬で眠気が出やすい方

・内服薬の量を減らしたい方

・受診回数を減らしたい方(受験生やサラリーマンの方など)

・妊娠を考えられている方、授乳中の方

 

・治療の流れ

問診と診察にて治療の適応かどうかを判断します。適応と判断すれば、レーザー治療前の血液検査を行い、治療日の予約を取ります。

 

―治療の実際―

1) 治療前の麻酔は、麻酔薬を浸したガーゼを鼻の中に約10分間入れるだけです。

2) 内視鏡を用い、鼻の中をモニターに映して確実に粘膜焼灼をします。

3) 治療中、治療後の痛みや出血はほとんどありません。

4) 終了後しばらく安静にした後、帰宅できます。

5) 治療後、数回の通院にて術後の処置が必要です。

特異的免疫療法

唯一、完治する可能性のある治療方法です。

 

ⅰ)減感作療法

原因となっている抗原を、薄い濃度からゆっくり注射していき、体質を抗原に対して慣れさせていく方法です。
喘息発作やじんま疹などの副作用に注意しながら行います。
約2年程度かかることがあります。

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