睡眠中にいびきや呼吸が止まっていることがありませんか?
閉塞性睡眠時無呼吸低呼吸症候群とは、睡眠中に空気の通り道である上気道が狭くなり、呼吸が止まり、ぐっすり眠ることができない病気です。
日本人の有病率は約50人に1人と言われ、いびきや夜間の不眠、肥満、起床時の頭痛や体のだるさ、日中の強い眠気などの症状があります。
日中の眠気により仕事に支障をきたしたり、居眠りによる交通事故・産業事故が発生するなど近年社会への悪影響が注目されています。
さらに、睡眠時無呼吸症候群を放っておくと、高血圧、虚血性心疾患や心不全、脳血管障害、糖尿病、肥満症などの合併症も起こるといわれています。
~眠気によって引き起こされた事故・大参事~
・スリーマイル島 原発事故 1979年
・スペースシャトルチャレンジャー号爆発事故 1986年
・チェルノブイリ原発事故 1986年
・エクソン社バリデス号アラスカ沖タンカー座礁事故 1989年
・客船スター・プリンセス号 アラスカ沖座礁事故 1995年
・山陽新幹線居眠り事故 2003年
・近年も睡眠時無呼吸症候群が原因として疑われている夜行バスなどの事故が起こっております。
問題点・・・眠りの質が低下し、脳へ送られる酸素が少なくなってしまう!
日中の眠気が強く仕事の効率が低下する。
日中の眠気のせいで、事故を起こす危険性がある。
生活習慣病を悪化させることがある。
<睡眠時無呼吸の定義>
「口、鼻の気流が10秒以上停止すること」「10秒以上の気流(気道の空気の流れが止まった状態)を無呼吸とし、無呼吸が一晩(7時間の睡眠中)に30回以上、もしくは1時間あたり5回以上起こる。
特に仰向けで寝ている状態で、気道(鼻、口腔、咽頭、喉頭)が狭くなることで起こります。
呼吸が充分にできないため、体(脳や体の臓器)への酸素が足りなくなってしまいます。
いびきが悪化すると、睡眠時無呼吸症候群に陥る場合があります。
<気道を狭くする因子>
・鼻づまり・・・アレルギー性鼻炎、鼻中隔彎曲症、鼻ポリープなど
・のどの奥が狭い・・・扁桃肥大、肥満(脂肪でのどの奥が狭い)
・舌根沈下・・・寝ている状態で舌が重力で落ち込む。老化による筋弛緩(筋力低下)、飲酒、安定剤の影響など
・ストレス
・骨格の問題・・・少顎症など
鼻腔、口腔、咽頭、喉頭のチェックが必要!
耳鼻咽喉科ファイバースコープ検査、レントゲン検査
睡眠検査で重症度を測定!
簡易型終夜睡眠ポリグラフ検査(自宅に測定器を配送し、睡眠中に測定します)
・日中の眠気
・眠気による交通事故
・体(脳や体の臓器)の酸素が足りなくなり、生活習慣病(高血圧、糖尿病、心臓病、脳卒中など)を悪化させてしまうことがあります。
睡眠中の呼吸停止により脳や体の臓器への酸素不足が起こります。
いびき・睡眠時無呼吸症候群を治療しないと、生活習慣病が悪化し短命となると指摘されています。
1.耳鼻咽喉科用ファイバースコープ
鼻腔~咽喉頭(上気道)の状態を把握します。
鼻ポリープ(鼻茸)、アレルギー性鼻炎、鼻中隔彎曲症、副鼻腔炎がないかチェックします。
扁桃肥大や舌肥大がないかチェックします。
2.レントゲン検査(セファロメトリー)
顎(あご)の骨格や気道・舌の大きさなどを調べます。
3.睡眠検査
簡易型検査
いびき・睡眠時無呼吸症候群の検査装置を自宅に配送し、ご自身で装着して睡眠中の状態を検査します。口と鼻に呼吸センサーを、指に体内の酸素濃度を調べるセンサーを取り付けて検査を行います。検査装置は宅急便での返却になります。後日、再診時に検査解析結果を説明致します。
4.その他の検査
肺機能検査、心電図、超音波(エコー)、一般血液検査、など。
●減量(ダイエット)指導・・・肥満の方の場合
●鼻やのどの治療・・・アレルギー性鼻炎がある方は、鼻づまりの治療が重要です。
鼻中隔彎曲症や鼻ポリープ(鼻茸)など手術適応の場合は総合病院へ紹介します。
●口腔内装置(マウスピース)・・・仰向けで寝ている状態で、下顎が下がらないようにします。
のどの空間が狭くならないようにするためです。歯科にて作製して頂きます。
次のような方が適応になります。
●在宅持続的陽圧呼吸療法(CPAP)・・・重症の睡眠時無呼吸症候群の方はCPAP治療の適応となることがあります。睡眠中にマスクを装着し、空気を送り、気道の閉塞を防ぐ治療です。効果や経過の確認のため、毎月チェックする必要があります。
●合併症の治療
●その他・・・扁桃腺が大きい方で摘出手術が必要な場合は総合病院へ紹介させて頂きます。